なぜ過去の「フォロ割」のような極端な割引施策が打たれ、そして終了していったのか。ここには外食産業におけるSNSマーケティングの構造的背景が存在します。
客単価が3,000円〜4,000円の大衆居酒屋において、数千円単位の割引を無条件で提供すれば、当然ながら原価割れ(赤字)を起こします。それでも店舗がキャンペーンに踏み切る理由は、「爆発的なバズによる新規顧客の獲得」と「広告宣伝費としての割り切り」に他なりません。
しかし、認知獲得という初期目的を果たした後は、通常の利益回収フェーズへと移行します。来店客側が「SNSで見た激安の裏技」だけを期待して訪れ、店舗側が「通常料金および追加オーダー」で利益を確保しようとする構図になると、両者の間で心理的摩擦(期待値のズレ)が生じます。「SNSで話題の店=誰でも格安で飲める店」という短絡的な認識を持たず、現在の利用規約や通常料金体系をフラットに見極める視点が不可欠です。