自家製ゆずジャムで最も多い失敗が「苦すぎて食べられない」というケースです。柑橘類の苦味成分は、主に皮の内側にある白い綿状の組織(アルベド)に含まれるリモニンやナリンギンに由来します。これらを適切に減速させる工程を挟むだけで、仕上がりの透明感と上品な風味が格段に跳ね上がります。
下処理の第一歩は、果実を粗塩で揉み洗いして表面の汚れやワックス成分を落とすことです。続いて横半分に包丁を入れ、果汁を搾り器で優しく搾汁します。この際、力任せに絞りすぎると房の内皮から強い渋みが出るため、8割程度の力加減に留めるのがコツです。
果皮の千切りは、まずスプーンを使って内側の白いワタを削ぎ落とします。ワタを完全にゼロにする必要はありませんが、厚みの半分程度までこそげておくとエグみが残りません。その後、繊維に沿って幅1〜2ミリの細切りに揃えます。切り揃えた皮は、たっぷりの熱湯で2〜3回茹でこぼすのが黄金律です。茹でこぼしの回数を重ねるごとに苦味は抜けますが、同時にゆず本来の清涼な精油成分(リモネン)も抜けていくため、少し苦味が舌に残る段階(2回程度)で止めるのがプロの技法です。