テレビ朝日の人気バラエティ番組『ロンドンハーツ』の名物企画「芸人リアル好感度調査」では、一般男女への街頭インタビューや隠し撮りを通じて、タレントの剥き出しの人間性を暴き出してきました。この企画において過去にフルーツポンチ・村上健志がワースト1位を獲得した際、スタジオは大きな笑いに包まれ、村上の「めんどくさい自意識」や「プライドの高さ」が格好のイジリネタとして消費されました。
制作現場の視点から言えば、テレビにおける「嫌われ」には以下の2種類が存在します。
- 機能する嫌われ(バラエティ上の記号):周囲の芸人からツッコミを受けたり、いじられたりすることで笑いを生む「ヒール(悪役)」。フルポン村上やコロチキ・ナダル、クロちゃんなどがこれに該当し、視聴者のイライラがそのまま番組の視聴熱へと転換されます。
- 機能不全の嫌われ(実害を伴う拒絶):犯罪行為、重大なモラル違反、被害者が存在するスキャンダル。これらはスタジオでいじること自体が不謹慎と受け止められ、バラエティの文脈で笑いに変えることが極めて困難になります。
視聴者が求めているのは「安全な場所から笑える小悪党」であり、「本物の悪意や背信」ではありません。この境界線を踏み越えてしまったタレントは、バラエティの枠組みから完全に弾き出されることになります。