渓谷の散策でお腹が空いたら、駐車場周辺や吊り橋の入り口に軒を連ねるお土産処・茶屋に立ち寄りましょう。ここには南会津の素朴な食文化を味わえる名物グルメが揃っています。
- ばんでい餅(じゅうねん味噌):うるち米をついて丸めた郷土料理「ばんでい餅」に、エゴマ(会津方言で「じゅうねん=食べると十年長生きする」と呼ばれる)をすり潰した甘辛い味噌ダレをたっぷり塗って炭火で香ばしく焼き上げた一品。香ばしい香りに誘われて、ほとんどの観光客が買い求める食べ歩きの定番です。
- 鮎の塩焼き・岩魚の塩焼き:店頭の囲炉裏や炭火でじっくり時間をかけて焼き上げられた川魚。頭から尻尾まで丸ごと食べられるほど柔らかく、清流の恵みをダイレクトに堪能できます。
- 会津地鶏・裁ちそば:周辺の食事処では、弾力のある会津地鶏を使った親子丼や、布を裁つように切って作る南会津伝統の十割そば「裁ちそば」を味わうことができます。
- 名物のお土産と魔除け:お土産屋では、地元産の天然ハチミツや山菜加工品、会津塗の民芸品のほか、珍しい「マムシの干物」や山椒魚、赤べこなどが並び、昭和レトロな観光地の風情を今に伝えています。
会津鉄道「塔のへつり駅」と江戸の宿場町「大内宿」の最強周遊ルート
下郷町を訪れたなら、塔のへつり単体で帰ってしまうのは非常にもったいない選択です。ぜひ組み合わせたいのが、同じ下郷町内にある重要伝統的建造物群保存地区「大内宿(おおうちじゅく)」です。
江戸時代に会津若松と日光今市を結ぶ「下野街道(会津西街道)」の宿場町として栄えた大内宿には、現在も茅葺き屋根の民家が約30軒以上も街道沿いに立ち並んでいます。長ネギ1本を箸代わりにして食べる名物「ねぎそば(高遠そば)」を味わい、江戸時代にタイムスリップしたかのような町並みを歩く体験は、塔のへつりの自然美と最高の相乗効果を生みます。塔のへつりから大内宿までは、車で約15分〜20分(約11km)という絶好の距離感です。
また、鉄道ファンや車を持たない旅行者にとって大きな魅力となっているのが、会津鉄道の「塔のへつり駅」です。2002年に「東北の駅百選」にも選定されたこの無人駅は、木造のログハウス風の駅舎が森の中にひっそりと佇み、駅から渓谷の入り口まで緑のトンネルのような遊歩道を歩いてわずか徒歩3〜5分で到着します。お座敷列車や展望列車「おいでよ奥会津」に揺られながらのローカル線旅は、都会の喧騒を忘れさせてくれる極上の癒やし時間を提供してくれます。