讃岐うどんの製麺プロセスといえば、小麦粉と塩水を練り合わせた生地をビニール越しに体重をかけて踏み込む「足踏み」が広く知られています。グルテンを極限まで引き出し、強靭なコシを生み出すための不可欠な工程とされてきました。しかし、手織うどん滝音はこの定説をあえて採用していません。
滝音が追求したのは、ただ硬いだけの剛麺ではなく、しなやかで吸い付くような伸びと弾力です。生地に過度な圧力を一気にかけるのではなく、職人の手作業によって生地を優しく丁寧に折り畳み、寝かせ、また延ばしていく「手織り」の独自製麺法を編み出しました。この工程を繰り返すことで、パイ生地のように繊細な層が形成され、その数は実に「1244層」に達するとも語られています。足踏みをしないからこそ壊れないグルテンのネットワークが、滑らかな新食感麺肌と絶妙なモチモチ感を生み出しています。
| 項目 | 一般的な讃岐うどん(剛麺系) | 手織うどん 滝音(シルク麺) |
|---|---|---|
| 主たる鍛え方 | 強い足踏みによるグルテン強化 | 手作業で幾重にも折り重ねる「手織り」 |
| 麺肌・舌触り | エッジが鋭く、硬質で力強い口当たり | 摩擦を感じさせない「シルク」のような滑らかさ |
| 噛み心地と弾力 | 押し返すような強い反発力と歯ごたえ | 中心に向かって自然に沈み込むしなやかな弾力 |