警察・司法用語に過ぎなかったこの言葉を、ポップカルチャーの第一線へと引き上げた最大の立役者が、逢空万太氏によるライトノベルおよびアニメ作品『這いよれ!ニャル子さん』です。
同作のヒロインであるクトゥルー神話の邪神・ニャルラトホテプ(ニャル子)は、数々の宇宙的凶悪怪獣を相手に戦闘を行う際、主武装として「名状しがたいバールのようなもの」を振り回します。この武器は、H.P.ラヴクラフトの怪異描写における定番フレーズ「名状しがたき(言葉で表現できない)」と、日本の事件報道の定番「バールのようなもの」を掛け合わせた見事なパロディでした。
劇中ではさらに「トゥルー・エンディング(真の結末)」などの厨二心をくすぐる別称が付けられ、神話級の威力を誇る万能兵器として描写されたことで、オタクコミュニティを中心に「バールのようなもの=最強の近接武器」という共通認識が確立。海外の有名FPSゲーム『Half-Life(ハーフライフ)』の主人公ゴードン・フリーマンがバール(クロウバー)を愛用していた文脈とも共鳴し、サブカル界隈における絶対的な地位を不動のものにしました。