本作が視聴者の心を激しく揺さぶる最大の理由は、キャラクターたちが辿る「変化」と「結末」に容赦のないリアリズムが貫かれている点にあります。その象徴が、ユ大尉(チョン・ヘイン)とハニャン(イ・ギュヒョン)の対比です。
部下を殴打死させた凶悪犯として全土からバッシングを受け、「悪魔のユ大尉」と恐れられて監房に入ってきたジョンウ。当初は誰の手も借りず、冷たい眼差しで周囲を威嚇していましたが、同房者たちの飾らない優しさと、実兄が全財産を投げ打って進める再審請求の闘いを通じて、本来の誠実で義理堅い青年の顔を取り戻していきます。彼の無実が晴らされていくプロセスは、視聴者にとって最大のカタルシスとなります。
対照的に、視聴者に最も深い衝撃を与えたのがハニャンの結末でした。同房者からのからかいや突っ込みを受け入れ、過酷な薬物の離脱症状に耐え抜き、鎮痛剤すら拒絶して「出所したら家族と恋人が待っている」と希望を語っていたハニャン。しかし、刑務所の門を出た直後、彼を待ち受けていたのは更生の美談ではなく、薬物依存という病の残酷すぎる現実でした。
シン・ウォンホ監督は後に、インタビュー等で「犯罪者を無条件に美化して応援させるようなドラマには絶対にしない」という確固たる制作方針を明かしています。どれほど愛すべき人間性を見せようとも、罪の重さと依存の深さは簡単には消えないという冷徹なメッセージが、物語に深みを与えています。