一般開放された座席は正規の手続きで購入できるとはいえ、「誰でも座って良い」という単純な話では片付けられないデリケートな規約上の取り扱いが存在します。
1. 車椅子の緊急利用客との優先権問題
規約上、前日や当日に一般客が購入を完了させた指定席特急券は法的に有効な契約です。しかし、万が一体調不良や急遽の事由により車椅子利用客が当日購入を申し出た場合、現場の車掌や駅係員から「座席の移動」を打診される可能性がゼロではありません。鉄道営業法や旅客営業規則に基づき、正当な代替席が用意されるのが通例ですが、心理的なトラブルに発展するリスクを内包しています。
2. 空間の構造的特異性と居心地のギャップ
車椅子対応座席(例えば11号車の一部座席)は、通路幅が広く取られていたり、前の座席との間隔が通常と異なっていたりします。荷物置き場として活用しやすいというメリットがある反面、周囲は多目的室に近く、車椅子利用客や介助者、体調の優れない乗客が頻繁に行き交う導線上に位置します。「静かに作業したい」「プライベート感を保ちたい」と考えている乗客にとっては、かえって落ち着かない環境になり得ます。