急速に拡大するショート動画シーンにおいて、クリエイターが直面する最大の落とし穴がコンプライアンス問題です。2026年現在、ハリウッドが映画のプロモーションのためにTikTokerへ数百万円規模の予算を投じる事例が見られるほど動画の影響力が増大している反面、法的・倫理的な監視の目はこれまでになく厳しくなっています。
まず意識すべきはBGM音源の著作権です。TikTokアプリ内で公式に用意されている楽曲リストから音源を選択して付与する場合、プラットフォームと著作権管理団体(JASRAC等)の包括契約により問題なく利用できます。しかし、外部の編集ソフトで市販の楽曲をBGMとして焼き込んでからアップロードする行為や、企業アカウントが商用利用許諾のない一般のトレンド音源を使用する行為は、規約違反や音源ミュート、最悪の場合はアカウント停止処分につながります。
さらに深刻なのがプライバシー侵害とモザイク処理をめぐるトラブルです。週刊女性PRIME等の報道でも話題となったように、有名テーマパークや繁華街で撮影されたインフルエンサーの動画において、一般の通行人や子どもの顔にモザイクが施されていないとして大炎上に発展するケースが相次いでいます。編集アプリに搭載されているトラッキング機能(自動追従モザイク)を活用し、意図せず映り込んでしまった第三者の顔や車のナンバープレート、住居の表札などには必ずモザイクやぼかしを施すことが、クリエイターとしての自衛につながります。