手足口病は、主にコクサッキーウイルスA6、A16やエンテロウイルス71(EV71)などの腸管系ウイルスに感染することで引き起こされます。潜伏期間は3〜5日程度であり、ウイルスが体内で増殖したあと、初めに現れるサインは必ずしも皮膚の発疹とは限りません。
多くの小児患者において、最初の異変は「なんとなく機嫌が悪い」「急に食事を食べたがらなくなった」「よだれの量が急激に増えた」といった日常の些細な行動変化として現れます。これは、目に見えない喉の奥や舌に先行して口内炎ができ始め、唾液や食べ物を飲み込む際に強い痛みを覚えているためです。
体温の変化についても特徴的な傾向があります。手足口病における微熱・高熱のパターンを見ると、感染者の約3人に1人が発熱するものの、その多くは37度台後半から38度前後の微熱にとどまり、発熱自体も1〜2日程度で自然に解熱することが大半です。ただし、近年流行しているコクサッキーA6型などの変異株やエンテロウイルス71型では、初期に38.5度以上の高熱が出るケースも散見されます。熱の高さだけで手足口病を否定することはできない点に留意が必要です。