『逃亡者』を語る上で欠かせないのが、数々のコンサートツアー音源や映像作品に記録された伝説的ステージです。中でもファンの間で神格化されているのが、巨大スタジアムにおける大掛かりな演出の数々です。
とりわけ、巨大な軍用車両ハマー(HUMMER)でグラウンド内を疾走し、アリーナ中央のサブステージへと乗り付けた圧巻のパフォーマンスは、まさに矢沢永吉にしか成し得ないド派手なスペクタクルでした。巨額の製作費と緻密なステージプランに裏打ちされたこの演出は、観客の度肝を抜き、ロックコンサートの概念を塗り替えたと評されています。
東京ドームという5万人規模の巨大空間であっても、イントロが鳴り響いた瞬間に会場の空気が一変します。暗転したドーム内に響き渡るソリッドなギターリフ、そして地鳴りのように湧き起こる「永ちゃんコール」。近年のソロ50周年記念公演などでも、70代を迎えてなお衰えを知らない強靭なボーカルとシャープな身のこなしで『逃亡者』を披露し、最年長スタジアム記録とともにその存在感を世に知らしめました。