群馬県神流町が「恐竜王国」と呼ばれるに至った歴史の起点は、1953年に国道工事の現場で発見され、のちに日本で初めて恐竜の足跡と断定された「瀬林の漣痕(せばやしのれんこん)」にあります。
地元では古くから「さざ波岩」として親しまれていた傾斜した巨大な岩肌に、等間隔に並ぶくぼみが残されていました。1985年の詳細な学術調査によって、このくぼみが白亜紀の二足歩行肉食恐竜などの足跡化石であることが正式に確認され、当時の日本の地質学・古生物学会に大きな衝撃を与えました。
神流町恐竜センターから車で数分の距離にあるこの露頭は、現在でも見学が可能です。館内で展示を見た後に実際の現場へ足を運ぶことで、かつてこの山深い土地が恐竜たちの闊歩する水辺であったという地史の壮大なダイナミズムを実感することができます。