錦織一清さんに「ハゲているのではないか」という疑惑が集中した最大の要因は、2000年代後半から約10年以上にわたって続いた徹底した帽子スタイルにあります。当時、後輩グループの舞台演出や演劇界での活動に軸足を移していた錦織さんは、制作発表の記者会見やわずかなテレビ出演の際にも、必ずと言っていいほどハンチング帽や中折れハット、ニット帽を深く被っていました。
室内やフォーマルな記者会見の場でも帽子を脱がなかったことから、視聴者や週刊誌記者の間で「生え際の後退を隠しているのではないか」という憶測が一気に広まったのです。また、たまに見せる帽子なしの姿において、おでこが若い頃よりも広く見えたことや、髪質が細くなり地肌が透けて見える瞬間があったことも、ネット上の検索ワードで「ハゲ」がサジェストされる直接的な引き金となりました。
しかし、演劇関係者の証言や本人の当時の発言を紐解くと、帽子を愛用していた理由は必ずしも頭髪の悩みだけではありませんでした。稽古場で長時間にわたり照明や音響、役者の動きをチェックする演出家にとって、髪型をセットする時間を省き、視界を遮らないための実用的なアイテムとして帽子が定着していたという側面が大きかったのです。