発端となったのは、大手週刊誌やWEBポータルサイトで報じられた「都内ヴィンテージマンションの資産価値が購入時の3倍に達した」という不動産関連のニュースでした。この記事の見出しや要約がSNS上で切り抜かれて拡散される過程で、なぜか「プロ野球界のレジェンド・黒田博樹の自宅」として認知が歪められてしまったのです。
実態を精査すると、報道の対象となっていたのは黒田博樹氏ではなく、上皇ご夫妻の長女・黒田清子さん(紀宮さま)の夫である黒田慶樹(くろだよしき)氏でした。慶樹氏夫妻が都内に購入したとされるマンションの相場急騰を扱った記事が、同じ「黒田」という名字、さらには世間の高い関心が重なった結果、アルゴリズムのサジェスト機能も相まって「黒田博樹の現在の住まい」へとすり替わって検索される事態を招きました。
日米通算203勝を挙げ、メジャーリーグ時代には単年で数十億円規模の年俸を稼ぎ出した黒田博樹氏が、日本の一般的な分譲マンションの価格高騰だけでメディアの耳目を集めること自体、本来であれば不自然な話です。この騒動は、インターネット空間における名前の類似性が生んだ典型的な誤情報(ミスインフォメーション)であったと断定できます。