童磨を撃破した後も、カナヲの使命は終わりませんでした。無惨との総力戦が終結した直後、無惨の血と意志を注ぎ込まれた炭治郎が「鬼王」として変貌を遂げるという、絶望的な事態が発生します。日光を克服し、仲間たちに牙を剥く炭治郎に対し、疲弊しきった鬼殺隊士たちは成す術を失っていました。
ここで動いたのがカナヲでした。彼女は胡蝶しのぶから預かっていた予備の「人間に戻す薬」を所持していました。すでに右目の視力を失い、体力も限界を迎えていたカナヲは、再び「彼岸朱眼」を発動。残された左目の視力をも犠牲にしながら炭治郎の猛攻をすり抜け、その身体に薬を注射することに成功します。
「炭治郎、だめだよ。早く戻ってきて…禰豆子ちゃん泣かせちゃだめだよ…」と語りかけながら倒れ込んだカナヲの行動によって、炭治郎は自我を取り戻し、人間に戻ることができました。かつて炭治郎から「心」をもらった少女が、今度はその命と人間性を救い返すという、極めて美しい円環の結末が描かれた瞬間でした。