物語の序盤から中盤にかけて、読者を最も驚愕させたのが主人公・千空自身の偽装死と、霊長類最強の高校生・獅子王司の救済プロセスです。
司の手刀によって頸椎を砕かれた千空 死亡の報は、連載当時大きな衝撃を与えました。しかし千空は、かつて自らの首元に残っていた微小な石化部位にナイタール液を浸透させることで、石化解除に伴う細胞再結合作用を利用し、致命傷から鮮やかに蘇生を遂げました。この一件により、「石化解除は負傷を完治させる」という作中最大のルールが確立されます。
一方、共闘の末に氷月の凶刃で肺を貫かれ、敗血症による死が確定した獅子王司に対して、千空は現代医療の限界を認めつつも諦めませんでした。科学王国が石化装置を手に入れるその日まで肉体の崩壊を止めるべく、手製のフリーザーを用いたコールドスリープを実行。医学的死亡の淵で時間を凍結させ、のちに宝島で手に入れたメデューサの力で見事に復活させました。この冷徹なまでの合理的判断と情熱の融合が、本作の真骨頂です。