鯛の下処理で家庭料理人を最も悩ませるのが、四方八方に飛び散るウロコです。シンクや壁に付着すると乾いて張り付き、掃除に膨大な手間がかかります。この問題を根本から解決するのが「大きなポリ袋(45L推奨)の中で作業する」という技法です。
鯛を袋の中に入れ、手だけを袋の口から差し込んでウロコ取りを動かせば、跳ねたウロコがすべて袋の内壁に遮られます。専用のウロコ取りがない場合は、ペットボトルのキャップの縁を使うと、ウロコがキャップの内側に溜まり驚くほど飛び散りません。尾から頭に向かって逆撫でするように動かし、ヒレの際、エラ蓋の周囲、カマの内側、アゴの下まで指先で触れてざらつきがなくなるまで徹底的に取り除きます。
ウロコが取れたら、次はエラ・内臓処理です。エラ蓋を開け、エラの上下の結び目を包丁の先で切り離します。続いて肛門から包丁の刃先を浅く入れ、腹を裂いてエラごと内臓を一気に引き抜きます。内臓を取り除いた腹腔内には、背骨に沿って赤黒い血合い(腎臓)がこびりついています。包丁の先で薄皮を縦に裂き、竹ササラや歯ブラシを使いながら冷水で綺麗に洗い流してください。水気は魚の生臭さや細菌繁殖の最大要因となるため、洗い終えたら厚手のキッチンペーパーで表面・腹の内側を完全に拭き取ることがプロの鉄則です。