体験工房だけでなく、展示空間としての学術的クオリティの高さも当館の際立った特徴です。別府大学が管理・運営している背景もあり、展示解説は極めて正確かつ体系的です。
1階および2階の展示ゾーンでは、古代エジプトの香料容器からメソポタミアの蒸留器の復元模型、さらには17世紀から20世紀初頭にかけてヨーロッパの貴族階級を魅了した工芸美術品が並びます。特に必見なのが、エミール・ガレ、ルネ・ラリック、バカラといったガラス工芸の巨匠たちが手掛けたアンティーク香水瓶のコレクションです。ただ香りをまとうだけでなく、「香りを視覚化する」という芸術的な追求の変遷を間近で観察することができます。
さらに、世界各地から収集された天然香料(沈香、白檀、ムスク、アンバーグリスなど)の希少な現物見本も展示されており、実際にいくつかの香りをテスターで嗅ぎ分ける体験型コーナーも設置されています。香料貿易の歴史やシルクロードを通じた文化交流の足跡をたどることで、香りが人類の宗教儀式や医療、美意識とどのように結びついてきたかを深く学ぶことができます。