ベトナム人の名前の多くは、歴史的な背景から「漢越語(漢字に由来する言葉)」に基づいています。例えば「Nguyễn(阮)」「Trần(陳)」「Văn(文)」のように、対応する漢字が明確に存在します。そのため、ネット上の一部コミュニティでは「漢字圏なのだから漢字で登録すれば良いのではないか」という誤解が散見されます。
しかし、日本の出入国管理法上、在留カードへ漢字氏名を併記できるのは原則として中国・台湾・韓国・香港などの漢字圏出身者に限られます。ベトナム国籍者の公式な身分証明はアルファベット表記が絶対的な基本であり、私的に漢字へ置き換えて公的機関へ提出することはできません。
日常生活で漢字名や呼びやすい通称名を使用したい場合は、市区町村の窓口で正式に「通称名の登録」を行う必要があります。ただし、通称名の登録には「勤務先での給与明細で日常的にその名称が使われている実績」や「郵便物の送達実績」など複数の客観的証拠が求められ、来日直後の外国人が即座に登録できるものではありません。
【プロの結論】公的手続きで絶対にしてはいけない3大NG行為
外国人材支援や人事労務の現場視点から、絶対に避けるべき基準を明示します。
- ミドルネーム(Đệm)を勝手に省略すること:「長いから」「呼びにくいから」とミドルネームを抜かすと、公的データ連携で致命的な不一致を起こします。
- 手続きごとに長音記号(ー)の有無を変えること:「レー」と「レ」、「ヴォー」と「ヴォ」のブレは、コンピューターシステム上では完全に別人と識別されます。
- ローマ字読みに頼り切ること:「Duy」を「ドゥイ」ではなく「デュイ」、「Phuong」を「フオング」と書くなど、自己流の変換を混ぜる行為は後戻りのできない混乱を招きます。