携帯総合研究所やPHILE WEB、BigGo ファイナンスなどの報道によって広く知られるようになったYouTube無料開放のニュースですが、ここに多くのユーザーが誤解している大きな盲点があります。「無料でもPiPが使えるようになった=すべての動画が小窓で再生できる」というわけではないのです。
YouTubeの公式仕様および著作権管理のガイドラインにおいて、無料ユーザーのピクチャーインピクチャー利用には「音楽コンテンツ(ミュージックビデオや公式楽曲など)は対象外」という明確な制限が設けられています。つまり、ゲーム実況やニュース解説、Vlogなどの一般動画であれば無料アカウントでもスムーズに小窓化できますが、アーティストのMVを再生してホーム画面に戻ると、ピタッと再生が止まり小窓も出現しません。これを端末の故障やバグだと勘違いして設定をいじり回してしまうケースが後を絶たないのです。
さらに、以下の条件に該当する動画も無料・有料を問わずPiPやミニプレーヤーの制限対象となります。
・「子ども向け(Made for Kids)」に設定されている動画:児童のオンラインプライバシー保護法(COPPA)に準拠するため、データ収集を伴うミニプレーヤーやPiP機能そのものがシステムレベルでロックされます。
・YouTubeショート(Shorts):縦型スクロールを前提としたショート動画フォーマットは、標準のPiP仕様から除外されています。
・メンバーシップ限定動画の一部:クリエイター側の配信設定によって外部オーバーレイ再生が制限されている場合があります。
もう1つ混同されやすいのが、ピクチャーインピクチャーと「バックグラウンド再生」の違いです。PiPはあくまで「画面が点灯している状態で、他のアプリの上に小さな映像窓を浮かべる機能」であり、スマホの電源ボタンを押して画面を消灯(スリープ)したり、小窓の「×」ボタンを押して閉じたりすれば音声も止まります。画面を消してポケットに入れたまま音声だけを聴き続けるバックグラウンド再生は、依然として有料のYouTube Premium会員(またはブラウザの裏技的挙動)に限定された機能である点を押さえておく必要があります。